「あなたのために」という大義名分

2014-08-10

「自分を信じるな」というメッセージ

多くのクライアントさんは、『自分を信じる力』が欠如している。

「お前は“自分”を信じるな」というメッセージを、親から強烈に刷り込まれているからだ。

「私の言う通りにしていれば、間違いないんだから・・・」

未熟な親のこのセリフは、子どもを否定する。

親は子供をコントロールすることを子育てだと思っている。

それに抵抗すれば、親はとたんに不機嫌になり、

「じゃあもう知らないよ。好きにすれば!」と子どもを突き放す。

それは子どもにとって、「死ね」と言われるのに等しい。

一人ではまだ生きていけない子どもにとって、なんて恐ろしい脅しをかけるのだろう。

それに抵抗できる子どもなど、いるわけがない。

そう、だからあなたは、いつしか親のコントロールを受け入れてしまった。

自分で考え、自分で決めることを放棄してしまった。

自分の感情も切り捨ててしまった。

自分の感情のままに行動し、表現すること、つまり〜自由〜は、親の機嫌を損ねることに直結していた。

感情は自由を求める。だから、服従するには邪魔なのだ。

そうして、母の言うことを聞き、その通りに生きるロボットになってしまった。

それが生き延びる唯一の手段だったから。

ロボットは勝手に何かをしてはいけない。

コントローラーである母親は、あなたからことごとく自由を取り上げた。

子供をロボットにする親の「恐れ」

●我が子が未知のことにチャレンジしては困るのだ。

〜何かあったらどうしていいかわからないから。

●我が子が失敗することがあっては困るのだ。

〜どうやって支えてやればいいかわからないから。

●我が子が自由な空想を楽しんだりしては困るのだ。

〜皆と一緒でなければ、親である自分がどう思われるかと恐れているから。

●我が子が落ち込んだり、悲しんだりしては困るのだ。

〜自分が悪い母親に思えて、猛烈に辛くなるから。

●我が子が拗ねるなんてことがあっては困るのだ。

〜自分がコントロール不能だと感じるのは恐いから。

●我が子が喜んでいるのは困るのだ。

〜自分が幸せでない、という事実を突きつけられるようで、怒りがわき上がるからだ・・・。

要は、自分がどうしていいか分からないから恐いだけだ。

恐れている自分を受け入れられないので、「こんなキモチにさせてくれるな!」と、子どもに責任転嫁しているだけだ。

責任を押し付けられた子どもは、「そうか、私が悪い子だからダメなんだ…」と、

けなげにも、より良いロボットになることを目指す。

そうして、自分の意思も感情も麻痺したロボットとして完成してしまい、

そんな自分に疑問すら感じなくなる子がいる。

あるいは、ロボットとしては完成できずに、

そんな自分を『悪い子』と責め続けて思春期を送る子がいる。

しかしどちらの子も、いつまでも子どものままでいられるわけではない。

ロボットのまま生きるために

気付けば親の背を追い越し、社会に出て独り立ちする時がやって来る。

あれほど支配的だった親が、「あんたももう大人だから」という理由で、

握りしめてきたリモコンを放り出す。

そのとき、ロボットとして生きてきた子どもは戸惑う。

ロボットは、『命令』がなければ動けないからだ。

それでも、生きていかなければならないーー。

こうして大人になったあなたにとって、『自由』はただ恐ろしいものでしかなかった。

そのため、ロボットの子どもたちは、『自分以外』に信じられるものを求める。

『命令』を出してもらうことを求める。

何かに、誰かに依存しなければ、不安で生きていけなくなってしまうのだ。

親に支配されてきた子どもが、

大人になって支配的なパートナーを選んでしまうのはよくあるパターンだ。

または、今度は自分がコントローラーになることを選択する子どももいる。

それが、コントロールされる危険から身を守る最高の防御だからだ。

でも、どちらも『他者』にがんじがらめで、不自由な生き方には違いない。

支配される側も、支配する側も、「あなたのために」という『大義名分』を拠り所とするからだ。

親の支配から自由になるために

「あなたのために」という『大義名分』で、支配の暴力を受けたあなたーー。

もうその生き方は卒業しよう。「自分のために」生きてみよう。

自分に由(よ)って、生きてみよう。

初めは恐ろしくてたまらないだろうけれど、

『いつ見捨てられるかわからない誰か』にすがって生きる方が、

もっとずっと恐ろしいことだった・・・、ってわかるから。

あなたが「自分を決して見捨てない」って心に決めれば、

必ず自分を信じる力が湧いてくるから。


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