心の門

2014-08-09

うつからの回復の兆し

心の門を堅く閉ざしていたうつ病の人が、カウンセリングを重ねて、少しずつ笑顔を取り戻してきます。

ゆっくり、ゆっくり。とにかく焦りは禁物。

・・・なのだけど、そばにいる家族は、どうしても焦ってしまうことがあります。

心の門の奥深くに閉じこもっていた患者さんが、そろそろと門のそばまで出て来たので嬉しくなって、

「さあさあさあさあ♪」とばかりに門の外(自分たちの世界)へ、引っ張り出してしまったりします。

あるいは、「チャンス!」とばかりに患者さんの門の中まで入ってきて、

本人を連れ出そうとしたりしてしまう。

でも、外の世界は、今の弱っている患者さんにとっては、暴力的なほど刺激が強いのです。

みのを剥がれたみの虫のように無防備な状態で、外気にさらされ、

患者さんは何も出来ず、無力な自分に茫然自失・・・。

そしてまた、門の奥深くに逃げ込み、以前よりも固く固く扉を閉め、閉じこもってしまうのです。

後戻り

患者さん本人も、一日も早く元気になりたいと願っています。

家族と楽しく過ごしたい、友人と会ったり、出掛けたりもしたい。

いつ、そんな自分になれるんだろう? と、自問自答し続けているんです。

患者さんが門に近づいてきたのは、

もしかしたら、大丈夫かも?」という自信が、わずかでも涌いてきたから。

しかし、外界の刺激の竜巻に巻かれ、逃げ帰ってきた自分に、

そのわずかな自信も木っ端みじんになってしまいます。

やっぱり自分はダメだ、このまま良くなれないんだ・・・と、絶望してしまうのです。

その状態から、再び門の近くまで行けるようになるには、

かなりの時間がかかってしまうことが多いです。

うつの家族を見守るコツ

患者さんがまた門の近くまで出てきた時には、焦らず騒がず、穏やかに

「ああ、よくきたね。うれしいよ」と、微笑んであげられるといいですね。

門の外にひっぱり出すのは、NGです。

「いつまでそんなところにいるの?」「早く出ておいで」なんて、言わないで。

本人にとってはそれが精一杯だし、今はそこまでで上出来なのです。

今は塀越しでOK。

でも「私たちはいつでもここにいるからね」という家族の愛が感じられたら、

なにより患者さんは勇気づけられます。

心の奥深い安全地帯と、門との間を、行ったり来たりしながら、

患者さんはだんだんと回復していきます。

「こんな自分でも、受け入れてくれているんだ・・・」という安心感が、

患者さんにとっては何よりの栄養です。

しかし、「待つのがどうしても辛い」という時は、

家族の方もカウンセリングなどのケアを受けることを、視野にいれてみていただきたいと思います。


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